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 2004年 S・A・M 世界大会                        文・玉木マキより拝借

2008年8月世界マジックカーニバル 第14回SAM世界マジックシンポジウムが福岡で行われた。

SAM(Society of American Magicans)とは、1902年にかのハリー・フーディーニを始め、当時の一流マジシャン達によって発足されたマジックの世界的組織である。

現在世界中に支部を持っており、2万人以上の会員数を誇る程まで発展した大規模な組織だ。

この大会ともなると、日本中の有名マジシヤンは勿論、本場アメリカラスベガスからも一流マジシャンがやってくる。『世界マジックカーニバル』というだけあってまさにマジック祭りだ。テレビで見た事あるマジシヤン「ナポレオンズ・マギー司郎・山上兄弟・ヒロサカイ・魔耶一星・都々」からテレビこそ出ないけれどマジック界の大御所といった名うてのマジシヤン達が九州の都、福岡『ZEPP福岡』に大集結するという、マジックマニアにはたまらない大イベントだ。

また、その素晴らしいマジシヤンたちのショーが見られるだけでなく、全国各地から大手マジックショップもはるばるやってきて、出店するという、やはりこれもマニアにはヨダレもんのイベントである。

 

この第14回SAM世界マジックシンポジウムの会長が 『ジミー菊地』 である。

普段のマジック大会は完全に会員制であったが、今回の福岡大会はジミー菊地が先導して会員以外の一般のお客様も全日程参加出来るように、配慮してあった。これは今までに無かった試みで、大変苦労したそうだ。

司会者も、マジック界からドン四次元・FM福岡のブッチ・劇団あんみつ姫のトマト座長とバラエティにとんでいた。

 

スケジュールは、朝9時から夜9時まで12時間びっしりマジック三昧の2日間。朝9時という、休日に出向くにはやや早いイベントだったにもかかわらず、ナポレオンズやヒロサカイのレクチャーがあるとなれば別。マジックショップは終日オープンなので、レクチャーの予約チケットを入手出来なかった人も、朝から大勢集まっている。どこにどのショップがあるのか見えないほどだ・・・睡眠不足なんのその。

 地方だから人は少ないということはない。マジックファン・マジックマニアたちの足は何処でもマジック情報を嗅ぎつけて自然に出向いてしまうものである。

 

この大会には九州のプロマジシャン達も出演していた。

SAM会長のジミー菊地・かつて超能力者たちとの対決でテレビ出演していた小川心平・鹿児島の炎の魔術師と呼ばれる瀬紀代功・美人コンビマジシャンのウィッシュ・ショップ出店にはミスターサコー。

参加費は少々高めだったが、勿論私もめったにないこの機会、参加せねば・・・謎の義務感と高揚感で辛い早起きをして向かったのである。全力参加だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このマジックカーニバルはメイン2日間、前夜祭を含めたら3日ある。私は前夜祭をパスして本大会から参加することにした。

朝9時から暑い!会場ZEPP福岡に到着する。受付を通るとマジックグッズ売り場が所狭しと並んでいる。しかしまだ午前中だというのにものすごい人。黒山の人だかりでショップ付近は熱を発している・・・暑い。寝不足と猛暑とマニアの群れに軽い目眩。マジックマニア達は普段見れないマジックグッズに朝から目を血走せている。

 誰かの携帯が鳴り響いた、その着信メロディは「オリーブの首飾り」・・・何人かがポケットを探し始めた・・・さすがマジックマニアたちだ!マジックマニアの着メロが「オリーブの首飾り」の確立は想像以上かもしれない・・・。

午前中はレクチャー・・・お昼になるとセミプロあたりのマジシャン達のステージコンテスト・クローズアップショーが開催された。

夕方になると、いよいよメインイベントである。一流プロマジシャン達のマジックショータイムである。私も一番楽しみにしていた時間である。

 

会場に来ていた知り合いのマジックマニアの方々や友人に挨拶したりと、テンションが徐々に上がってくる。

ステージマジックショーを数年ぶりに見る私は少々興奮気味だ。

 

オープニングは司会者の3人が、イリュージョンで登場した! いきなり司会者がマジックで登場する・・・このイベントの鼻息の荒らさがうかがえる。

 そして最初のマジシャンの登場。

SAM大会会長のジミー菊地だ。 さすが父親譲りの「火」をふんだんに取り入れたイリュージョンは圧倒ものだ。あっちからもこっちからもボオッと燃え上がっている、惜しみない炎は爽快だ。美人アシスタントを使って箱に入れたり、はや着替えさせたり消したり出したりと華やかな演技。「キメッ」のポーズも日本人離れしたアメリカンな感じ・・・よく分からない表現だが、ニュアンス的にラスベガス・・・もっと分からなくなってしまった。 それはともかく、美人アシスタントのパンツをチラリと見せる男性サービスも盛り込まれている・・・しまいには、ちょっと布の裏にアシスタントが姿を消したさい、彼女のブラジャーが投げられパンツまで投げられ・・・美人アシスタントは今どんな状態なのだ?と観客にちょっとエロチックな期待をさせたりもする。もちろんそんな時決まってそのアシスタントは消えているのだが・・・。ジミー菊地の壮大な炎のイリュージョンでこの「マジックカーニバル」は幕を開けた。

幕開けに相応しい派手さと豪快さとミラクルさであったと思う。

 

その次に出てきたのは、あのテレビでよく見るマギー司郎であった。

先程の炎のイリュージョンの壮大さとは相反して、こじんまりとした漫談マジック。これが生ステージ、緩急があり面白い。

弟子を連れて出てきたのだが、まともなマジックをすると引かれてしまう芸風。弟子もなんちゃってマジックを披露して観客の笑をさらいつつ、なんとなくほのぼのとしたムード。年期の入った芸風というのは、いつも変わらないサザエさんのように、もう面白いとか面白くないとかを超えた安心感みたいなもので、観客を惹きつけている。

 

それが終わると今度は西部劇の荒野のテーマソング風なBGMで登場したのは、鹿児島の炎の魔術師と異名をもつ瀬紀代功だ!

炎も素晴らしいが印象的なのは鳩だった。雰囲気的には昔のキャバレーみたいな感じが漂っている。日本で例えると西部警察あたりか、なんだかわからんがタイムスリップした気分だった。ひたすら鳩出し・・・もうありとあらゆるところから鳩が出てくる。これでもかと鳩・鳩・鳩・・・これがまた不思議であった。 これを見ればチャニングポロックもさぞ喜ぶであろう。

 

そして今度は、近年しばしばテレビで目にするようになった子供の兄弟マジシャン山上兄弟。子供さながらのイリュージョンは可愛くてキメのセリフもバッチリテレビと同じであった!演技の後半は「僕たち歌を出しました」と言い、手話をしながら歌っていた。感心したものだ・・・。

 

さて続いては、九州では初見参の新潟プロマジシャン・日本のジェントルマンという呼び名が相応しいジョージ本田だ。

華麗なシルクさばきからステッキ・鳩・優雅な感じを漂わせながら女性アシスタントを2人従えて演技をこなす。ウットリと見とれてしまうマジックスタイルだ。 あ~これぞマジシャン!という呼び名に相応しいのかな~と感じた。

 

次は若手のマジシャンU・コミカルなお笑いマジック。ラストはキューピー人形をアシスタントに人体交換イリュージョンだった。これには笑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次は九州・長崎から小川心平。世界チャンピオンの経歴通り、優雅で美しいマジックすたいるだ。後に紹介するが、この小川心平はテーブルマジックにも出演する・・・しかもアダルトマジック第一人者?このステージからは想像もできない。ラストは美人アシスタントが一瞬でTバック水着スタイルになり、これには会場男性陣からはオ~と声が上がっていた・・・笑。

 

そうこうしているウチに、初日ラストのマジシャンとなった。

ネイティブアメリカンのマジックショー・・・「ネイティブなアメリカ的なものとは何か?」を知るにはいい機会だ。

「ミュージカルマジック法」と呼ばれる技法で称えられている、アメリカ一流マジシャン「ノームニールセン」の登場である。

バックミュージックは幻想的な音楽、癒し系のサウンド。彼はカードを手からドンドン出すというオーソドックスなマジックを手始めに見せ、その後楽器をテーマにしたマジックを展開した。フルートが出てきたり、次から次に出てきたコインをテーブルに入れると、綺麗なベルの音が鳴り響いたり、最後はバイオリンが宙に浮いてついでに弓も浮いたまま演奏されるという、もの凄く幻想的に綺麗にまとまったマジックショーを披露した。ファンタスティック! そうアメリカ人はファンタジーの演出に長けているのだ。演出の仕方に無駄が無くファンタジー空間を作り出している。マジックの大会に相応しい、大満足なラストのショーだった。・・・・・・これで初日のステージだ・・・

一流マジシャン達のショーに驚かされたのは勿論のこと、全国からはるばるやって来たであろうマジックマニア達の熱狂パワーにもかなり驚いた。私自身も大概マジックマニアだと思っていたが、いやいやなんのその・・まだ序の口だという事に気づかされる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・マジックイベント恐るべし。

引き続きジミーが解説・・・

2日目のラインナップを素早く紹介しましょう。

2日目トップは世界の(故)マーカテンドー!185cmの長身で日本人で唯一燕尾服の似合うマジシャン。しかもカードテクニックはTOPクラス。

カードを出すだけなのに迫力がある!流石世界からオファーの来るマジシャンだ!

 

次は香港から周代祥。扇子を華麗にさばいてスピード感ある新時代を感じさせるマジシャンだ。

 

そして日本からヒロサカイ。メンタルマジックからステージまで器用にこなす。最近はDrレオンとしても有名だ。

 

アメリカからアルマンドルセロ。お客さんを絡めた楽しいマジック(楽屋での練習とステージの内容が違いビックリ!笑)

 

ここで少しブレイクタイム気分で、地元お笑い歌手?ピンコロズ!九州の元祖芸人、ばってん荒川師と石井トミコのコンビで1曲!(*^_^*)

 

それから紅二点?ウィッシュの登場!女性リュージョンマジシャンだ。男性マジシャンには無い色気あるイリュージョン。

 

日本一有名なマジシャン?ナポレオンズ!皆さんご存知の通り、首を回してくれた・・・笑。

 

最後は、ユージョンファクトリーの大迫力イリュージョンで終了。

 

主にステージの時間は2時間。それ以外ではテーブルマジックショーもあり、このゲストも凄いメンバーだった。

デビッドウイリアムソン/ルペ/小川心平/ヒロサカイ/都々/魔耶一星・・・このメンバーが全員見れる!テーブルマジックのチケットは一瞬で完売したな~。本番も凄い熱気だった(実際に当日は猛暑日でエアコンの効きが悪く、急遽デカイ扇風機を用意する程だった)。

 

集まったマジックショップも紹介します。

セオマジック・越智商店・オフィス西川・菊地マジック・ジョージマジックカンパニー・道化師・ニールセンショップ・マーカテンドー・マジカルアートクリエーション・マジカルテーラー田中・マジックエフェクト・マジックショップ町井・ミスターサコー・Hello Magic。

 

前夜祭・金曜日夜~土曜日~日曜日夜7時まで・・・全日程集まってくれたお客様は3000人だった。

 

せっかくなので、当時のマジックコンテストメンバーも紹介します。

ステージ コンテスト

宮川和也(高知)・小野田倫之(鹿児島)・YaoHsenTsai(台湾)・MengHanChen(台湾)・JiaFenfLi(台湾)・DualFeather(台湾)・中享介(京都)・

美月久魅(福岡)・香西宏治(高知)・トリット(高知)・マジック千秋(千葉)・宇崎啓太(高知)・篠原直人(高知)・山口美香(高知)・石津房之(山口)・

土居◎雄(兵庫)・TaeHyunMoon(韓国)・GeunYoungYoom(韓国)・KeunYoungYun(韓国)・中村榮吉(沖縄)・斎藤駿(埼玉)・高橋れい子(島根)。

 

クローズアップ コンテスト

高木宏尚(福岡)・DongGeunJung(韓国)・矢吹博志(東京)・平林光(長野)・坪田修士(神奈川)

 

 

あとがき・・・

感のよい方はもうお気づきでしょう・・・全てのゲスト出演者が一流でこの人数。ゲストマジシャンの基本持ち時間は15分程度です。

なんて贅沢なメンバーでしょう。九州・福岡で、いや過去にも全国で見ても、これだけのゲストメンバーのマジック大会はありませんでした。

当時は自分のやりたい放題?に近い状態でした。というか皆さんに是非見せたいマジシャンのラインナップがこのメンバーでした・・・笑

かかった金額は総額1500万円・・・銀行から借入・・・大会当日まで赤字・・・。  あ・・・やっちまった・・・・。

とショックと絶望の中オープニングショー出演(実際に何にも覚えてない)。

しかし、昼過ぎに奇跡が!!!

当日券が次々に売れて、何とかセーフ!ギリギリ、収支トントンになった!わーい!

ま、こんだけお金を使ったら利益なんか無いよな~笑

だけど・・・・・やって・・・いや、やれて良かった。  もうしたくないけど・・・・と当時は思っていたが・・・

最近またこの様な大会が開けたらいいな~と感じてる今日この頃です(*^_^*)       ジミー菊地

 

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